大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(ね)1 決定

主 文

本件を東京地方裁判所に移送する。

理 由

本件再審請求の理由は「私ハ社会共和主義ノ理想ノ上ニ立ツ社会共和主義者デア

リマス前ニ日本共産党衆議院議員A氏ノ手ヲ経テ立法機関タル国会ニ請願書提出ノ

件依頼致シマシタガ新憲法下ニ於ケル非立憲的人権蹂躙的ナル現在ノ民主的裁判ニ

矛盾並ニ疑惑ヲ抱ク者デアリマス、

理由一、昭和二十二年一月東京区裁判所横地判事係ニテ賍物牙保被告事件審理ニ

於テ証人Bノ偽証、右偽証二対シ再審理ノタメ控訴セシガ原審判決主文ニ依リノ判

決判決廷ニテ法廷ハ議論スル所デハナイト言論ノ抑圧即日上告セシガ原審判決主文

ニ依リ却下トナリ十二月六日執行指揮書ニテ現在府中刑務所ニ服役中我等民衆ニ与

ヘラレタ人権ノ蹂躙何故ノ控訴審上告審デアリマセウカ証人対決ノ上ノ審理正否ヲ

認メテノ判決ガ真ノ民主的裁判デハナイデセウカ新憲法下裁判所構成法ニ基エテノ

裁判デセウカ再審理セザル控訴審ナラば控訴スル必要ハナイノデス原審判決ノ日ヨ

リ執行ノ日マデノ不法拘禁職権ヲ以テノ拘禁ナラバ職権ヲ以テノ不法拘禁デハナイ

デセウカ私ハ実行ノ人デス必ズヤコノ問題ヲ国民ノ世論ニ訴へ投票ニ依リ解決スル

デセウ右ノ件ニ関シ拘禁サレテヰル私ハ国民ノ代表タル最高裁判所ニ再審理ヲ至急

申請請求スルモノデアリマス何故ニソレハ証人Bハ昭和二十二年一月懲役一年六月

ノ判決ヲ受ケ同年三月東京拘置所ヨリ前橋刑務所ニ移送サレタルモ出所ノ上ハ審理

ニ支障ヲ来スモノト思料支障ノ責任ハ裁判所ニアルト云ツテモ過言デハナイト思ヒ

マス右理由ニ依リ召喚ノ上至急再審理願度ク再審理請求申請書ヲ提出致シマス」と

いうのであり、申請書添付の書類及び記録によつて明白な、請求人が賍物牙保被告

事件について、昭和二二年一月二八日東京区裁判所に於いて有罪の判決を受け、之

に対し控訴を申立てて同年五月一七日東京地方裁判所において再び有罪の判決を受

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け、上告を申立てて、同年一〇月二一日東京高等裁判所において上告棄却の判決を

受けてゐる事実を参酌すると、本件再審の請求は第二審即ち東京地方裁判所の確定

判決に対する再審の請求であることが認められる。従つて、本件再審の請求につい

ては、旧刑事訴訟法第四九〇条により再審の対象である原判決を為した東京地方裁

判所に管轄権があつて当裁判所にはその管轄権のないことが明白である。

よつて、裁判官全員一致の意見により、主文のとおり決定する(このような場合

管轄裁判所に移送すべきことについては当裁判所、昭和二四年二月二五日言渡、昭

和二三年(ね)第二号大法廷決定参照)

昭和二四年三月五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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